2010-01-01から1年間の記事一覧

「FAR OUT」写真集の衝撃!

137億光年(ビック バン)以来の宇宙の果てを世界の宇宙空間にある望遠鏡やハワイの天文台から写した写真集である。 表紙の裏面を飾るのは銀河系宇宙(=milky way)、 その一角に太陽系が存在する。 太陽系のことを「solar system」というらしい。 その太陽…

念願のクリスボッティ ライブを聴いて

12月7日、神戸にて念願のクリスのライブを聴くことができた。 実を言うとほとんど毎日クリスのDVDを家で観ているほど彼の熱烈なファンであり、それは以前のブログでも書いたが、今でも同じだ。 一旦好きになると結構しつっこいのが私の性格だ。(笑)彼はDVD…

歌抄絵の世界

耳慣れない言葉かもしれない。 意味は和歌をモチーフにして描いた絵のことである。 きものや帯をデザインするには何らかの助けがなければ 難しい。 それが古布であったり感動した自然風景であったりすることが多いのだが江戸時代は「万葉集」「古今集」や「…

百回通うより、一回の作者からの解説

四国丸亀の猪熊弦一郎現代美術館へ赴き11月20日から一年間のロングランで開催される「杉本博司展」の解説をご本人から受け、続きに直島の地中美術館でも強烈な刺激を受け帰京した。 モダンアートとは 誰も見たことがないものを創り出す作業だけに能力がすべ…

深い愛

人は愛がない世界には生きていけない。それが人と人との愛であろうとペットや植物への愛でも同じだ。 愛し愛されていると感じるから自分も生きていける。 とりわけ深いものは母と子供の愛情、母の分身である子供への愛情は無条件であるはずだ。 一方、父親は…

マン レイ展

大阪国際美術館で開催されているマン レイ展を鑑賞した。マンレイ展 レイの名前も杉本博司氏と出会うまでは全く聞き覚えもなく、 自分とは無縁の人であった。 杉本氏から「レイ」や「デュシャン」の名前を聞くことになってから興味を抱くことになる。 特に同…

ささやかな幸福

我が家に近い鴨川 ブログを始めておおよそ一年、時間の経つのは実に早いと 痛感する。文章を書くのは得意ではないので稚拙な内容と文章力に、 読み返して赤面をしてしまうが、これが自分の実力であるから 認めざるを得ない。ただ文章にすることによって曖昧…

続 平安裂

春日大社に奉納すべく制作していた 「藍地 小花唐草紋綿」が完成し受書拝受できる運びとなった。 本歌は精密に観察してみると経糸も緯糸もずいぶん傷みがあり制作当初の図柄とはかなり違ったものであると判明した。 上記の本歌と複製品を見比べると別物に見…

クリス ボッティにみる男の色気

「クリス ボッティ」はイタリア系アメリカ人の トランペッターである。 先日、彼のライブDVDを見る機会があって、すっかり彼に一目惚れ、早速ブルーレイを買いこんで毎日のように観ている。 ジャズは学生の頃から大ファンであったが、マイルス デービスの死…

糸の話

今、日本の生糸に大きな問題が起こっている。 事の起こりは国内の養蚕を保護する為に行われてきた助成金の撤廃である。 絹糸の本家本元は中国であるが明治時代以来、日本の輸出品のトップは常に絹糸であった。 国内の旺盛な絹糸需要に支えられて国内のいたる…

61回目の京都展示会を控えて

(大正年間) 昭和24年から始めた「ぎをん店」での展示会も今年で61回目を迎える。 商いは江戸時代、天保10年前後の創業だが明治、大正までは 数件の御贔屓だけを対象にして商売を続けてきたらしい。 贔屓の御大家が没落したり服装が洋風化するなどで昭和…

二つの海景

この3年ほど 娘家族と夏休みは沖縄に行くことがお決まりになっている。海や山など自然の中に身を置くことが何より好きな私なので 今年も石垣島へと出かけた。スキューバもやるが孫とシュノーケルで魚を眺めていると 時間の経つのを忘れてしまう。 一人で海…

音楽の話

バッハの「G線上のアリア」は私のもっとも好きな曲。 しかし指揮者によって曲の印象がすっかりかわってしまうのが 不思議だ。 以前にある指揮者による「アリア」とカラヤン指揮のものと聞き比べたことがある。 原曲の楽譜は、同じはずですが受ける感動が全く…

最強の生地

杉本博司氏の依頼を受けて制作していた 「電磁場幡幕」がとうとう染め上がった。 経験のないモチーフ、巨大な寸法に悩まされ続けた半年であった。 氏もわざわざ入洛され検分されたが気に入ってもらえたようで 杉本、齋藤共同制作の朱印まで戴き誠に光栄であ…

帯の話

帯は意外にドラスチックな変化をしている。 歴史的には 江戸中期ごろから始まった現在の織物としての帯、(上記 右) それ以前は 紐のようなものか、細帯に刺繍をした程度だった。 (上記 左) それが除々に幅の広いものになり、 「丸帯」が全盛だったのは幕…

審美眼と千利休

美を審(つまびらかに)する眼、美を見つける眼力 それを思う時、最初にうかぶのは千利休。 数々の逸話が彼には残されている。 たとえば路地に咲く万面の椿の中から一輪だけ床の間に生け、あとはすべて刈り取ってしまった話。。 水盤に枝桜をいけるよう試さ…

平安時代の裂に出会う

春日大社にはきっと何かあると踏んでいたが。。。やはりあった平安の裂。 正倉院を除けば西暦1200年以前の絹布は存在しないといっても過言ではない。絹は日光にも火にも弱く、特別の環境が備わってないと 風化し炭と化すのだ。 中国には2000年以前の絹織物が…

「きもの」と器

「きもの」と器を比較して考えることがある。 一見なんの繋がりもなさそうだがよく考えてみると、両者とも 中身を引き立たせることが大きな役割であることに気がつく。中身とは、「きもの」にとっては「 人 」「 器 」にとっては「料理」 ということだ。この…

最近の感動

先日BSで、ジャンポール・ゴルチェのファッションショーを 舞台裏から取材するドキュメントを観る機会があった。パリコレの表舞台を カールラガーフェルドやジョンガリアーノなどと共に支える 彼の精力的なモノづくりへの情熱にすっかり画面にくぎ付け。 あ…

須田剋太の力強さに魅せられて

私は須田剋太が好きだ。 20世紀を生きた洋画家、須田剋太。その力強い作品に先日、旅先の康燿堂美術館(蓼科)で観る 機会を得た。 遠目で一瞥した瞬間は、 大屋根の太い稜線が目に飛び込んできた。 本品は10号の小品だが画面からはみ出るような構図で大仏殿…

江戸の「粋」(いき) と 都の「粋」(すい) 最近関東のお客様が増えた。 意識して江戸風を装っている訳ではないが、 何故か関東の方にご贔屓いただく。 私自身の中に江戸風を好む美意識があるからだろう。 所詮自分の中にあるものしか吐き出せないのだから…

今年の桜も終わった

(近くの公園で雨に打たれる花弁) 日本人の桜好きは、つとに有名だ。 私ももちろん、その一人。四月の着物や帯を染めるとなると 桜以外には考え難い。 西行の「願わくば花の下で春死なむ、その如月の望月のころ」この有名な歌に西行の桜への思いがしのばれ…

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以前はコメント欄にてご意見等を頂戴してましたが、 下記の下線部にてメールにてご連絡頂けるように 設定しました。公開せずに直接やり取りできますので、 屈託のないご意見やご質問等お待ちしております。 ※ご質問・お問い合わせはコチラをクリック For que…

杉本博司氏との出会い

杉本氏との出会いは20数年前、氏が暖簾の別染注文に当店を 訪れたことから始まる。 呉服屋に暖簾の注文とは変わった御仁だと思ったが… 今度は陣幕の注文である。(笑) 縦 2m、横 12mという大きいもので、 もちろん私にとってもこんなものを作るのは初めて…

美を極める眼

世の中にはわかりやすい美と難解な美が存在します。 身近な美の基準は容姿、美人コンテストであろう。 多くの人が美しいと云うのだから間違いはないが客観的な 標準美などからは選考することは難しく結局個人の好みに 頼るしかない。 私は「カサブランカ」に…

偶然美

少し前のブログで書いたように、一本の線に生命力を感じることが大切だと思い続けている。 その一つの答えが彩流し(いろながし)と命名した技法である。 水の表面に流した顔料の動きを瞬時のうちに生地に写し取る。 決して人の描くことのできない「線」。 …

What is 御所解(ごしょどき)??

御所解とは江戸末期に出現した文様様式の一つである。 ヨーロッパにおけるアールデコーのようなもの。 文化文政期に確立したと思われる、この御所解様式は今日まで 多くの愛好家が存在する。 この小袖は当家の始祖が幕末に制作し、現在も我が家にある 御所解…

わかりますか!?

上記の2枚の辻ヶ花の違いがわかりますか??? 両者ともまさしく桃山時代を代表する辻ヶ花、日本が誇る染織品の至宝です。 しかし、 じっくり見るとカチン(墨)で描かれた線の違いが判るでしょう!? そうです! 答え 「左は後の時代、何者かが墨で稚拙な線…

三度目の中尊寺

仙台まで行くついでに、平泉まで足を伸ばしてみた。 10年前、最初に寺宝の釈迦如来と2体の薬師如来を拝見したときの迫力が忘れられずにいる。 金色堂の圧倒的な荘厳と雅な美しさは京都で私が見てきたものをはるかに凌駕したものだと思う。 平安時代の建築物…

西陣織帯制作へのこだわり

自前で作りたかった「唐織」…一目ぼれした「菊青海」!あの時の感動は忘れられない! 凛とした板のような硬い生地に総刺繍と見える立体的な幾何学的な菊に雪輪文様。 「唐織」は西陣、いや日本を代表する織物だと判ったのはずいぶん後のことだった。 どうし…