平安時代の裂に出会う
春日大社にはきっと何かあると踏んでいたが。。。
やはりあった平安の裂。
正倉院を除けば西暦1200年以前の絹布は存在しないといっても過言ではない。
絹は日光にも火にも弱く、特別の環境が備わってないと
風化し炭と化すのだ。
中国には2000年以前の絹織物が伝製しているが、ほとんどが
水没状態にあったからだ。
平安時代から創建地から移らず、火災にあわず存在し続けている社寺として思いつくのは平等院と春日大社。
昨日、某氏の御尽力で平安の裂、2点をつぶさに拝見できたことを正直感激している。
上記が12世紀半ばと確定できる貴重な裂である。
私は直感で和製だと思ったが
調査チームの小笠原先生は南宋の可能性もあるとの御意見。
過去の資料にも一切掲載されたことのないもので、事前の予想ではもっと大柄の有職文様かとおもいきや、非常に細い縦糸を用いた精緻で優雅な唐草紋であった。
実はこの織物を当方で復元し奉納してほしいとの話から調査する機会を得たのである。
感想としては地色の藍色が本品に近い濃く鮮やかなものに染めることが出来れば織技法的には可能だと思っている。
何としてもやり遂げたいと念じているが、
春日御神の御加護を授かることができるかが問題である。
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