2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

さらに平安時代の美を求めて平等院へ

唯一現存する平安建築、宇治平等院を訪ねた。 子供の頃から何度か連れていかれたり遠足だったりで 鳳凰堂の記憶はあるが、 平安時代を意識して眺める始めてのことだ。 しかし残念ながら建物は平成の大修理中で すっぽり覆いが被せられ優美な姿を拝むことはで…

辻村史朗氏の陶芸を観る

辻村史朗氏、兼ねてから高名は広く知られているが、 ご本人と直接会って話す機会を得るのは始めてである。 今や本業の焼き物以外にも 書や油絵をこなすマルチアーティストといえる。 元首相の細川護煕氏も同じく多芸を誇る政治家であるが 両者に共通するのは…

64回 正倉院展

11/12まで開催された正倉院展は相変わらずの大盛況であった。 瑠璃杯(るりのつき) 曜日によって夕方6:30までの入場が許されているので、 その頃を見計らって行ってみたが予想以上の雑踏状態であった。 何があれほどの熱狂を掻き立てるのか不思議な感想を抱…

染の引き算、一つの帰結

いわゆる友禅染の技法で難しいのは 輪郭を甘いぼかしに仕上げることである。 何でもないようだが友禅染の基本は 糊伏せ(染めたくない部分に糊を塗布する)である。 故に輪郭がどうしてもシャープになってしまう。この技法を400年も後生大事に守り続けてきたの…

平安時代の美を求めて

かねてから平安時代の染織品が皆無であることに、 失望し続けるわたしだが最近になって気が付いたのは、 和歌の料紙(台紙)の美しさだ。 平安時代に書かれた「石山切」「継色紙」など 文字に目を奪われがちだが、それらの料紙の美しさこそ 平安の美ではないか…