平安時代の美を求めて
かねてから平安時代の染織品が皆無であることに、
失望し続けるわたしだが最近になって気が付いたのは、
和歌の料紙(台紙)の美しさだ。
平安時代に書かれた「石山切」「継色紙」など
文字に目を奪われがちだが、それらの料紙の美しさこそ
平安の美ではないかと思い始めている。
様式は西方(中国、ペルシャ)の趣は感じられるが、
かと言って外国人の手になる美意識ではなく
明らかに日本人のものと見る。
紙自体の優美さもあるが、雲母で装飾された唐草模様にも
日本人固有の柔らかさが感じられる。
現在放映中の「平清盛」の劇中衣裳も有職織物に終始し、
正装以外の風俗衣裳は見かけない。
それは無理もない話で、時代考証は不可能な世界である。
私の平安時代の美を探す旅は終わらない。
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