良きパートナー

私には仕事の良きパートナーYさんがいる。
彼は独自で染めた反物や新しく織った白生地などを私に提示
してくれる、いわゆる素材屋さんである。


一般的な京友禅のやり方は白生地からスタートし、色を挿し
たり刺繍を加えたりして一枚のきものや帯を作り上げるのだが
真っ白なキャンバスに向かって次から次へ新しいモチーフ
描き続けるのは苦痛以外のなにものでもない。


たぶん流行作家が出版社の締め切りに追われて原稿用紙に
向かう気持ちと近いのではと想像する。そんな時、Yさんは私の
インスピレーションをインスパイアーさせる素材を提供してくれ
る、得難いパートナーである。

つまり、提示された未完成な素材に私が息を吹き込んで、
ぎをん齋藤風」に完成させる。彼とはもう15年以上付き合って
いるが感性の素晴らしさは本性のものであろう、しかも物作り
が大好きときているから、私との相性は素晴らしく良い。


そういう人がいて初めて目新しい作品が作り続けられるので
大変彼に感謝している。


感性の相性がいいのは長く付き合って行く上には大切だが、
互いに相手の立場を理解し誠意を持って接するのが長続き
の秘訣である。



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