2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

陽の目をみた能衣装

私が織屋(齋藤織物)を始めたのは 唐織「能衣装」を作りたいと思ったのが動機の一つである。 古美術店で買い求めた桃山時代の能衣装裂、 「山道に下がり藤」柄を手本に制作してみた。 袖の部分を手本に全体を想像して能衣装を復元したのである。 完成後、 展…

「世界史」を読む

マクニール著「世界史」は、大変良く出来た歴史教科書である。 古代から現代まで人類の歴史を多元的に俯瞰させてくれる。 読んでみると文明の歴史とは、 ユーラシア大陸における覇権の歴史なのである。 著者は、 数え切れない権力の栄枯盛衰を走馬灯のように…

フェルメールを観る

「ベルリン国立美術館」展を観る。 フェルメールの「真珠の首飾りの少女」が初来日という前評判で賑わっていた。 17世紀のオランダ絵画は陰影の芸術と呼んでもいいであろう。 極端ともいえる濃い陰に対してスポットを当てたように明るい影、このドラスティッ…

「平清盛」展を観て

京都文化博物館で開催中の「平清盛」展を観に行く。 お目当ては清盛が厳島神社に奉納した「平家納経」を観るためである。 平安時代の染織品は皆無に等しく、豪華な料紙に描かれた金銀箔の装飾や顔料で彩色された絵画から平安時代のよすがを偲ぶのである。 国…