「平清盛」展を観て

京都文化博物館で開催中の平清盛」展を観に行く。


お目当ては清盛厳島神社に奉納した「平家納経」を観るためである。


平安時代の染織品は皆無に等しく、豪華な料紙に描かれた金銀箔の装飾や顔料で彩色された絵画から平安時代よすがを偲ぶのである。


国宝の「法華経」2巻が展示され展覧会の目玉になっている。


予想していたよりも傷みが少なく良好な保存状態とみた。
銀泥で州浜を描き「野毛」「切り金」などの金箔が一層の豪華さを見せている。



ところがあまり観客が注目しない処にすばらしい物を見つけた。


安徳帝の初着深紅の麻の下着である。

以前から写真ではよく見ていたが、あまりにも小さく人形の衣装かと思った。


半ぴ」と呼ばれる形の錦織は従来、日本で織製された生地と思われてきたが最近の研究で中国契丹(きったん)からの渡来品との意見が有力になっている。


向かい合う鶴?の周囲を飾る線状の模様を観ていると
まさに契丹だと確信する。


奥州藤原氏に伝わるもおそらく契丹であろう。


だとすると9世紀、10世紀の日本の織物は現存しないという興味深くミステリアスな結論になる…



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