帯の話


帯は意外にドラスチックな変化をしている。














歴史的には
江戸中期ごろから始まった現在の織物としての帯、(上記 右)
それ以前は
紐のようなものか、細帯に刺繍をした程度だった。 (上記 左)
それが除々に幅の広いものになり、
丸帯」が全盛だったのは幕末から昭和初期まで。


名古屋帯」の登場は大正時代、


袋帯」が登場するは昭和20年頃である。


この理由は
「きもの」の着方や住環境が変化したからだと推測される。


たとえば「つい丈」で
着ていた小袖の裾に綿を入れて引きずるようになったのは
「畳」敷きの室が普及したからといわれている。


板敷では生地が傷むからだ。


現在「お端折」(おはしょり)と称している身丈の余裕部分は
その名残といえる。
身丈が長くなると
全体のバランスを考えれば自ずと帯の幅が広くなる。


至極当然である。


私が織物を手掛けるきっかけになった「唐織」の帯も
第二次世界大戦以後に登場した織物。


織組織としては中国の唐時代から存在するが日本では
室町時代以来「能」の発展とともに国風化したオリジナルな
織物と呼べるだろう。


しかしこの500年近く受け継がれてきた西陣織も今や
maid in China に席巻されているのは嘆かわしい。


ライフスタイルの変化、経済環境の浮き沈みなど
大きな潮流の前に500年の伝統も抗えない。


西陣織」が死語になる可能性が現実のものとなるのか。。




※ご質問・お問い合わせはコチラをクリック
For questions or inquires, please click here.