音楽の話

バッハの「G線上のアリア」は私のもっとも好きな曲。
しかし指揮者によって曲の印象がすっかりかわってしまうのが
不思議だ。
以前にある指揮者による「アリア」カラヤン指揮のものと聞き比べたことがある。


原曲の楽譜は、同じはずですが受ける感動が全く違った。
前者は単調平坦であったが、
後者はメリハリと余韻がいつまでも耳に残った。
それが指揮者の技量であり、
カラヤンが天才と称される所以だと実感した。



私は若いころ「きもの」の形をもっと自由に変えられたら
面白いものが出来るのではないかとよく考えた。


しかし、いつからか形は人為的に変えるのは邪道であり現在の
きもの」は平安時代以来1000年の歴史の中で作り上げてきた
日本人特異の衣装文化であると考えるようになった。


時代の中で必要とされたものが残って来た結晶体であって、
一個人が作為的にいじるものではないと。


昭和30年代に袖を花弁のように見せるものや
極端に短いものなど、さまざまな「きもの」が考案された。
それを「モダンきもの」と称してもてはやした時代があったが
いつのまにか消えてしまった。


昭和50年代には「独り立ちのきもの」と称して桃山時代の小袖を
模した半幅帯が席巻した時代もあった。


それも今ではお目にかかったことがない。


つまり形は変えなくても染織による表現力感動を与えられる
きもの」が創れるのだと今では確信している。


私はきものの保守本流を自任している。



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