杉本博司氏との出会い
杉本氏との出会いは20数年前、氏が暖簾の別染注文に当店を
訪れたことから始まる。
呉服屋に暖簾の注文とは変わった御仁だと思ったが…
今度は陣幕の注文である。(笑)
縦 2m、横 12mという大きいもので、
もちろん私にとってもこんなものを作るのは初めて。
HPの古裂美術館に掲載している本歌(オリジナル)が、
生地の選択や絞り技法の細部において大変参考になったことは
事実である。
しかしポイントは「紐」にあるとアドバイスしてくれた人がいた。
白と藍の直径4cmの紐を作らせて通してみると朱の色が一段と引き立った。
不思議だ...。
杉本氏も気に入って頂いたようでホっとした気持ちである。
その陣幕のお披露目をギャラリーでされた様子を
鈴木芳雄氏がブログに掲載されていたものを拝借した。
杉本氏は私と同じ年であることや
骨董好き(私には手の出ない名品を所有)であることから
気の合う人だと勝手に思っている。
否、今は私淑していると云ったほうが正しい。
しかし彼の代表作は「静謐」という言葉がぴったりとする作品と
「躍動感」がはじけるような作品の2種類がある。
この相対峙する美、
静と動、
明と暗を具有する氏の審美眼に敬服する。
ある高名な美術商は氏をもって「天才」という。
本当に杉本博司氏は天才かも知れないと思い始めている。
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