わかりますか!?
上記の2枚の辻ヶ花の違いがわかりますか???
両者ともまさしく桃山時代を代表する辻ヶ花、
日本が誇る染織品の至宝です。
しかし、
じっくり見るとカチン(墨)で描かれた線の違いが判るでしょう!?
そうです!
答え 「左は後の時代、何者かが墨で稚拙な線を加筆した。」
ここに絵画もしくは染色品の価値の大きな差があると私は確信しています。
いきなり大きな命題を提起しました「ひと筆に生命力が宿っているか?」です。
生きた線を引く、しかも長時間にわたって、これを可能にするのは、たゆまぬ訓練と胆力が必要です。
ですから私は手書きの着物、帯を制作するにあたって
「下絵」と「糊置き」の工程をことのほか大切にしています。
例えば菊の花を描いてみると、一片の花弁にみずみずしい精気が溢れているか?
花と茎と接合部分に破たんはないか?
そこが大切だと信じています。
自然の美しさがお手本です。
それをどのような表現方法であろうと線に力がなくては駄目です。
「いい線を描く」このテーマをさらに拡げて、
着物としての実用とアートとの接点に現在興味をもって制作に
臨んでいます。