偶然美
少し前のブログで書いたように、一本の線に生命力を感じることが大切だと思い続けている。
その一つの答えが彩流し(いろながし)と命名した技法である。
水の表面に流した顔料の動きを瞬時のうちに生地に写し取る。
決して人の描くことのできない「線」。
それはまるで備前焼の火だすきや織部焼に見られる緑釉の滴りなどの染や織では表現が難しい刹那美である。
上記写真の右側は
古来の「墨流し」の技法からヒントを得た帯だが墨の部分と白の部分が反転しているところがミソ。
左側は
その応用で色顔料(水色)と胡粉(白)が溶け合っている様の
きもの。
両者とも人事を超えた躍動感が際立っていると自画自賛。
織物や友禅染めなど計算された当然美を作っている私には
このような偶然美に出会うと感動を覚える。