須田剋太の力強さに魅せられて

私は須田剋太が好きだ。


20世紀を生きた洋画家、須田剋太

その力強い作品に先日、旅先の康燿堂美術館(蓼科)で観る
機会を得た。


遠目で一瞥した瞬間は、
大屋根の太い稜線が目に飛び込んできた。


本品は10号の小品だが画面からはみ出るような構図で大仏殿が
描かれている。


その迫力は観る者を圧倒する。

まじかで観ると鮮やかな色調の絵具が固体として盛り上がり、
しかも落慶の際に撒かれる散崋は細かく裁断された紙片が
絵具で張り付けられている。

大屋根から垂れ下がる五色の紐は
ビニールのような細かいテープが実際に張り付けてある。


こんな技法があったのか!?


彼は晩年、
具象的なものから抽象的なものへと作風を変えていく。


より内面的なものへ興味を抱く気持ちはよく理解できる。


写真だけでは見えない魅力の秘密を、まじかで観ると見えてくる。
これが実物の素晴らしさを10分の1も伴っていないのだろう。


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