2012-01-01から1年間の記事一覧

「物と値段」

人は、物と値段のバランスに敏感である。 物に比べると、値段が安いと得をしたと感じ、 割高だと二度と買わないと思うものだ。 先日、ある温泉郷を初めて訪れることにしたが ゴールデンウィークに重なった為、多少の割高は覚悟していたが 一泊42000円との事…

杉本博司「空間感」を読む

「空間感」とは可笑しな標題であるが 彼の駄洒落癖を知る私にはユーモアが理解できる。 建築雑誌CASAに連載したものを一冊に纏めたものらしい。 随所に彼のデリカシーと審美眼が光るコンテンツに、 改めて彼の素晴らしい才能を知らしめられると共に 私の創作…

究極の求人

当社のHPで織物塾の塾生を募集している。 「無給」である。 先月からHPで募集したところ四名の応募者があり 内一名の白井さん(3月芸大織物科卒)が今月2日から塾生として出社している。 このような手段を取らざるを得ないのが今の日本の織物の現状である。 昔…

花の季節

今年も無事に桜の季節を迎えることが出来た。 我が家の近く、 高野川沿いの桜並木は京都でも有名な桜の名所である 推定樹齢60年の立派な桜が約一キロ続いている。 枝の先が赤く色づくと咲き始めるまであっという間のことである。 この季節になると私は妙に感…

「安藤忠雄」講演

建築家と私の仕事とは似通っていると思っているので 安藤氏を始めとして「磯崎 新」や「隈 研吾」などの著書は好んで読んでいる。 今回、初めて講演を拝聴する機会を得た。 開けっぴろげの大阪弁と似つかわしくない?繊細な感受性が 可笑しくて話に引き込ま…

神坂雪佳

古く商いを続けていると 思わぬ物が先祖から伝わっている事がある。 書庫にある古書、古下絵を整理した折、 肉筆画を数枚見つけた。 [あまりに良く描けているので 裏打ちをして桐箱を新調して保存しておいた。 その後、きものの模様を考案しようと 「神坂雪…

展示会感想記2

「ネットの強い影響力」 ご来客の多くの方から 私のブログを読んでいると聞かされ ネットの影響力の大きさと「公にモノ申す」責任を強く感じる。 当初から私のイズムを社員に浸透させる為、 日記風に書き始めたブログだが、 多くの人に読まれていることを知…

展示会感想記 1 

「人の好みは百人百様」 当たり前のことではあるが 接客をすると、人の好みは様々なものと 強く再認識させられる。というのも普段は接客はせず 物つくりに専念しているからである。 今回の東京展においても強く感じると共に 自作の自信を深めた次第である。 …

義援金

2011年3月11日、 忘れることのできない東日本大地震。 あれは東京、六本木での展示会初日、 ようやくお客様が来場をされ始めた午後であった。 武原ビルの5階はブランコに乗っているような 大きな横揺れに身体を支えるのが精一杯であった。 あれから間もなく…

「新しい酒を古い皮袋に入れる」

※彩流し(いろながし) マタイ伝に登場するこの言葉は以前から好きな諺である。 「温故知新」と同義語として解釈しているが、 私の勝手な解釈かもしれない。 孔子の論語 「述べて作らず、信じて古を好む」とあるが、 共通しているのは昔の物から学べという教…

緋色と浅葱色

遊郭といえば緋浅葱の襦袢、布団。 テレビでもよく見かける遊郭の風俗である。 遊女が緋、浅葱色に染め分けた麻の葉模様の 襦袢をだらしなく着た姿である。 我が家にも昭和初期に染めた緋浅葱の襦袢が 一反偶然に残されている。 この色の組み合わせがどうし…

ホームページのリニューアル

二年ぶりにホームページのリニューアルを決めた。 ハードの進歩と安価によって益々 ネット社会は増幅し続けている。 視て綺麗で楽しいサイトでなければ むしろ無くした方が賢明であるとも考えている。 今回は「ぎをん」を前面に押し出したトップページを予定…

きものは古典柄がなぜ好まれるか?

ぎをん齋藤は「御所解」を中心として古典柄に人気がある。 (献上花 染帯) それは何故なんだろうと思う。 クラシックな文様が着る女性に安心感を与えるからだろうか? 一般的に古典柄と言っても多くは江戸時代の文様を意味するが、 それとて更に古い時代に…

連載を終えて

「和樂」にて連載していた、 三笠宮彬子女王の連載を三月号を撮り終えて終了した。 大層お喜びであったとお聞きし安堵した次第である。 殿下の為に創ったものがご本人に似合わなければデザイナーとして失格である。 皇族の着物を制作することは楽しい反面、 …

42年振りに読み返した日記

古い引き出しを整理して見つけ出した学生時代の日記、 下手な字(今でも悪筆には変わりない)で原稿用紙に思いつくまま 書き乱した文章。 政治の事、経済の事、学生生活の事など 読み返すと赤面する内容ばかり。 同封されていたのが切り抜かれた朝日新聞の写真…