杉本博司「空間感」を読む
「空間感」とは可笑しな標題であるが
彼の駄洒落癖を知る私にはユーモアが理解できる。
建築雑誌CASAに連載したものを一冊に纏めたものらしい。
随所に彼のデリカシーと審美眼が光るコンテンツに、
改めて彼の素晴らしい才能を知らしめられると共に
私の創作心をインスパイアーしてくれる。
数々の建築家の作品を通して
彼一流の論評は実に理論的であり且つ情緒的である。
そして時には手厳しい。
一つ意外だったのはレンゾ・ピアノ設計の
「メゾンエルメス」銀座への以外な高い評価である。
私は個人的にあの建物は好きでは無い。
ガラスブロックで構築された無機質さは納得がいかない。
しかし杉本博司は「正統モダニズム建築の今の姿を見ると共に
レンゾが日本的なものを咀嚼し体現した」と絶賛する。
個人的見解の相違なのか私の未熟なのか?
本の末尾には私の染めた幕を掲載し、
私の嗜好まで紹介してくれた事に感謝する。
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