連載を終えて

和樂」にて連載していた、
三笠宮彬子女王連載三月号を撮り終えて終了した。


大層お喜びであったとお聞きし安堵した次第である。



殿下の為に創ったものがご本人に似合わなければ

デザイナーとして失格である。


皇族の着物を制作することは楽しい反面
難しい問題があって悩まされることも多い。


今の時代
にも文様にも身分的制約がないといっても
必ず超えてはいけない一線がある。


その程あいが微妙である


自分の許す範囲で満足のいく一年であったと自負している。


この機会に幕末から明治にかけて作られた
宮家の衣装写真を多数拝見できたのも幸いであった。


始めて入る皇居の盆栽庭
東京のど真中にありながら鳥のさえずりしか耳に届かない
市中の山居」…
森のような欝蒼とした中に舗装された一本の広い道には
誰一人見かけることもない…



まさに別世界…蓬莱山が現出する。



連載の要諦はほどほどで終了する事。


若い頃「ミセス」に連載していた時に学んだ戒めである。




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