古渡り更紗
日本へ渡来した時代別に古渡り、中渡り、新渡りと区別する。
古渡りの中でも日本からの注文品として制作されたものと、
インド国内向け、東南アジア向け、ヨーロッパ向けなど千差万別、
本当に出来のいいものは数少ない。
日本からの注文品は木綿の質も最上級で絹の手触りに近い。
色や柄にも日本人の好みに合わせて繊細なものが多いが、
この種の物を入手するのは非常に難しい。
以前に手に入れた「笹蔓金更紗」は広く愛された図柄で、
数百年間作り続けられた普及の名作だが、
時代の古いものが圧倒的に出来が良い。
今回入手した「鶏頭手金更紗」は最も古い時代17世紀の更紗で、
その証拠に金彩の技法が「露金」と呼ばれて、
「雫」のような金の塊が見うけられる。
時代が下ると金が平坦なものになってしまう。
このような素晴らしい裂との出会いが至福の時である。
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