壮絶な人生
旧知な画家2人の個展を見て回った。
一人は風景画を得意とする日展系の画家で穏やかな色調と安定した構図が静謐な自然美を描き出す。
ブルーの色が独特の清涼感を醸し出し一枚は欲しいところだが掛ける場所が我が家には無い。
何故ならば古裂で壁が埋め尽くされているからである。
もう一人の画家は水墨画を専門とする老画家である。
緑内障の為に視力が極端に低下しているにもか関わらず
精神力と過去の経験だけで描くという。
作品は水墨画というよりむしろ現代アートというべきであるが、
絵の基本である「しっかりした線」が背骨を構成しているから
作品に安定感がある。
こちらの作品は一枚数万円程と決して高くないので買いやすい。
会場に連れてこられていた知的障害のあるご子息が強烈な印象を
私に与えた。
何も飾らず自分をさらけ出す強い精神力が絵の中にも漲っている。
老画家の壮絶な人生を思わず想像してしまった。
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