只今作業中!

深い緑地の無地に織られた生地の上にアップリケして
帯を作ろうとしている様子である。


散乱した時代裂、古い物は元禄時代の残欠もあるが
殆どは江戸時代末期の裂類である。



以前に切り刻んだ跡が痛々しいが
最期の小片になるまで使い切るのが
裂に対する供養だと思っている。


慶長時代(17世紀)以前の裂は希少で
額に入れて鑑賞するのが普通だが
文化文政(19世紀)以降のものは古着の範疇に入るのか
生(ナマ)の状態で売買される事が多い。


傷みのひどい部分は捨てるしかないが
景色の良い部分を選んで
模様になるよう組み合わせていくのである。


手順はまず接着剤で生地に仮止めをし、
刺繍で剥がれないよう止めていく、
更に縁の所は金糸を施して切り口を見せないようにする。


江戸時代末期の裂でも草木で染められた魅力ある生地に
見事な筆致の墨絵や刺繍が施され
捨てるにはいかにも惜しい。


今回私が目指す帯は「好き者」が催す茶事の席などで
着用されるなら一坐の茶味を高めるものとなろう。



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