自分の壁 養老孟司
読書好きの私でも最後まで読み切る本と
途中で投げ出してしまうものがある。
最近の「自分の壁」養老孟司著には
休む間も無く一気に通読させられる面白さがあった。
養老先生とは何度か食事を共にする機会があったが
私レベルでは会話が噛み合わず話が途切れることが多い。
しかし、
今回の作品を読んで先生のイメージがすっかり変わってしまった。
お人柄が素直に描かれ親近感を持つと同時に
全編を通して底知れぬ豊富な見識が横溢している。
正に「目から鱗」があてはまる名著だと感服した。
特に先生の専門分野である医学について
「自分の体の問題を頭(意識)でなんとかなると勘違いする」
など健康ブームに便乗するハウツー本に警鐘を鳴らし
「麻酔の原理は科学的に究明されたものではなく
経験則で使用されている」など門外漢には考えも及ばない事実を啓示してくれる。
さらに「農業が保守的なのは当然で最新技術を取り入れても収穫がなくなれば意味がない」と急進的な技術論に釘を刺す。
先生はこの著書で
「先生自身の壁」を乗り越えられた気がする。
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