発見!
使われることなく埋れていた帯の紋紙(ジャガード機で織物を
作るのに必要なパンチカード)をとある織屋で発見した。
贅沢な素材と手間のかかる織作業を要求されるに違いない
と直感した高級品である。
おそらく30年ほど前に作られたものであろうか、
添付されたメザシ(試織)と指図書をみると
ゾクッとするほど魅力的で、まるで桃山時代の辻が花を
偶然見つけた時の興奮と感動があった。
これら一群の紋紙は西陣織の最盛期に「手織り」の特徴を
余すところなく表現したいとの思いで制作されたと推測する。
一般的に工業製品と呼ばれる物は大量に売ることが
前提で国際競争力や流通コストを考慮して作られる物である。
一方、工芸品はこだわり抜いた物作りをなすべきで、
自ずと限られた人のみが味わうことの出来る贅沢品となる。
しかしジャガード機は同柄を大量に作ることを目的として
18世紀フランスで考案された機材だからこの時点で矛盾する。
つまり大量生産すべき手段で少量生産するわけだから
最も贅沢な作業と言える。
果たしてこの贅沢が現代社会で認められるのか、
私は試してみるつもりだ。
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