陶芸家 岸野 寛さん
岸野さんは若手陶芸家の旗頭の一人になると確信している。
先般も日本橋 高島屋の美術サロンに於い個展を催し
大盛況であったとのことである。
彼を紹介してくれたのは、
私のところの白生地を織ってくれているS女史だが
物作りをしている人間同士の会話は実に興味深い。
技術的な批評あれば哲学的暗喩もあり、
千利休の美意識にまで話が及ぶ。
私を含めて三人に共通するワードは「茶道」である。
私自身も25年ほど某流派の直門として茶道を学んだ経験もあり
茶道界の良いところも悪いところも熟知しているつもりである。
岸野さんを古美術商の柳さんに引き合わせ、
作者と目利きの真剣勝負の問答が繰り広げられた。
目利きの評論を真っ向から撥ねつける
作者の度胸も大したものだ。
俗な世間とは隔絶した清談に愉しいひと時をもつことができた。
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