冬という季節
下鴨神社も降り積もる落葉に溢れ参道も厚い絨毯の上を歩くように
柔らかく感触がとても気持いい。
高野川沿いに連立する桜も
すっかり葉を落とし冬の準備は出来上がっている。
この時期の樹木は来るべき春に備えて樹幹に水と養分を蓄え、
葉を落とし余分な水分の蒸発を食い止める。
しかし、小さくても蕾はしっかりと枝に用意されている。
若木は樹皮も滑らかである。
老いた桜の幹は異様に変形し、老人の歪曲した背骨ようだ。
しかし、老木の中には根に近いところから
枝とも幹とも言えない新しい命が力強く迫り出している。
生命力の強さを感じる。
彼らの一生とはなんだろう…と、自分に置き換えて考えてみる。
毎年同じことを飽きもせず繰り返しているが
知らぬ間に老いて醜くなっている。
「銘木」、「天然記念物」だなどと囃し立てられるものは稀で、
ほとんどのものは名もなさず朽ちていくのである。
自然の営みも社会仕組みも変わらない。
この時期になると
妙にセンチメンタルな想いに耽ることが多い。
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