Y氏の事
Y氏は高名な美術商であり本当の目利きである。
氏とは近隣者同士として数十年のおつき合いを願っている。
特に氏から「物の観かた」を教わった事は、
私の大きな宝である。
「初めて見るものの良し悪しが解らなくても当然。わかるように
なるには同類の物を集中的に数多く見ること」だと教えられた。
後は自分の眼を信じて勝負にでることだと。
古美術の世界には「待った」は無い。
自分が手にいれるか他人が手にいれるか真剣勝負の世界
である。
しかも現金で。
物の真贋を峻別する眼がなくては、
あの世界では生きていけないという。
杉本博司氏を30年前に紹介してくれたのもY氏で、私に暖簾を
注文したのが始まりである。
杉本さんは以前、ニューヨークで古美術商を営まれていた経験が
あり古美術に関しては完全なプロである。
以来、
Y氏、杉本氏と私は緊張感のあるトライアングルとしておつき合いを続けている。
今週末にはY氏と久し振りに会食する予定だが、
どんな古美術談義が交わせるか楽しみである。
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