手放し難い一品
普段飾ったり手にしない骨董品が知らないうちに結構
溜まっている、いい加減手放してしまおうかと思うのだが、
やはり止めておこうと踏みとどまる。
その一つが「加彩夫人俑」である。
中国唐時代(8世紀)に副葬品として作られた陶俑で
墓から掘り出された物だから
あまり気持ちの良い物ではないが造形の美しさは代え難い。
恰幅の良いユッタリとした丸顔の女性は
高貴な夫人に仕えた女官であろうか。
絹と衣裳には彩色された名残があり埋設された墓砂が付着する。
唐という時代は永い中国史の中でも
文化的に大輪の花を咲かせた豪奢な時代であった。
世界三大美人の一人と称される「楊貴妃」と玄宗皇帝のロマンス、
経典を求めインドへの長い旅に出た「玄奘三蔵」、
都 長安の街区画が平城京、平安京の手本にされるなど
政治、文化面で日本に与えた影響は計り知れない。
唐を興した李氏は西域の血が混じっていたといわれ
「長安」はペルシャ文化と漢文化が融合した
異国情緒溢れる世界都市であったという。
貴人の墓からこれら副葬品が山のように掘り出されると聞くが
唐から千年遡る秦の時代 「始皇帝」は生前の軍団を
等身大の兵馬俑で再現する驚嘆を実現させた。
恐るべし古代中国人!
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