衣更え

6月1日になると一斉に「衣更え」となる。


袷のきものが単衣に帯と襦袢は薄物になる。


我が店の設えも木綿から麻の暖簾に、ガラス戸が「葦戸」の建具へと衣更えをする。

季節感を大切にして折々の風情を楽しむ心は日本人ならではの感性、いつまでも続けて行きたい歳事である。



四季十二節の変化を楽しんできた我が家も気が付くといつの間にか簡略化されてしまった。


建物は変わらないが住む人間の心が変わってしまったのだ。


の業界では旬の食材を腕によりをかけて食べさせる店は、ここ祇園にも沢山あるが味、器、設え、値段の四拍子揃った店はそう多くない。


個々の名前を挙げるのは憚られるが最近は近くの小料理屋に足繁くかよっている。


京都の夏といえば「」と決まっているが口うるさい人間には新味が無くてつまらない。


その店ではさり気ない食材小洒落た料理に仕立てくれるのでとても気に入っている。


本格的なの到来前は浴衣掛けに下駄履き姿鴨川の床で生ビールを味わうのも一興だ。





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