「布の道標」完成
私にとって一つの集大成と言うべき拙著
「布の道標」が先週ようやく納入された。
発案から丸一年を要したが待った甲斐があった出来栄えに
私自身も満足し、大きな達成感を味わっている。
何度もブログに書き及んだ「正倉院裂」の入手は強運としか
言いようのないドラスティックなハプニングであったと振り返る。
8世紀とハッキリ判る邦製錦は奇跡のタイムカプセルであり、
その8世紀とは「日本書紀」「古事記」が編纂され大和朝廷が
ようやく国家として体をなしたばかりの時代、聖徳太子が没した
僅か100年後の日本である。
そんな裂が我が手中にあることが信じがたいのである。
この裂のお陰で読売新聞、京都新聞、婦人画報等々にも
大々的に報じられ一躍時の話題となった。
やや気恥ずかしい次第だが、、。
完成した本のページを捲ってみると正に布の道標を一つ一つ辿りながら現在のきものに至っていると確認できる、更に次の時代に進むべき染織の道を暗示させる貴重な資料に違いないのだ。
本の完成を祝ってお世話になった方々をお招きして細やかな出版パーティーを企画している。
骨髄移植を経て10年の歳月が過ぎたが
私の道標に新たなランドマークを付すことができた。
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