自然淘汰?

西陣織帯、特に手織りの世界は以前から何度となく
その危機的状況をブログに投稿してきたが、ここに至って断末魔の様相を呈している。


我が齋藤織物においても熟練工は70ー80歳台となり、
それに続く世代は20ー30歳とかけ離れてしまった。

この責任は私にあることは率直に認める。


以前は若者育成の為に有償教育したこともあったが、
業績の不振から解雇してしまった事や
本人の適性から離職した事もあった。


その後、無給で募集したら応募者集まったという
皮肉な結果が今日に至る。


その結果同業の他社ににおいても同様の状態となり、
手織りの存続が難しい状態となった。


では何故手織りにこだわるのか?


その一つは出来上がりの風合いである。
機会で織ったものは硬質な感じに対して
手織りは「ふっくら」としている。



二番目は機械では同じものが複数出来すぎる。
機械織りは当然工賃が安い代わりに
数を織ることで職人は収入を得る。


しかし現在、同じ帯が複数以上でき過ぎること自体が
時代に合わない。

需要と供給のバランスが完全に狂っているのだ。
ここに至って手織り芸術性の高い帯が消滅しても、
それは自然淘汰ではないかと考え始めている。


大変残念であり悔しい事だが、
結局は消費者の判断に委ねられている事柄であるから
いくら私が力んでみても世の中は変わらない。




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