突然の別れ

人の命は儚いものと知りながら事実に直面した時の動揺は計り知れないものがある。

学生時代から親しい友人の妻が突然亡くなったと知らせが届いた。

急いで九州に向かい友を励まし慰める。
享年61歳、余りにも若すぎる死である。
死に至った経緯を尋ねると全くの突然死であったらしい。


動脈乖離という血管の病が心臓で起こると即死状態に陥ると聞いた。
当人もまさか自分が死んだと自覚出来たのか?
遺された夫は茫然自失、空虚な時間が流れて行くのを漫然と眺めるだけであった。
死を一度覚悟した私にとって死ぬことの恐怖は普通の人よりも希薄である、というか既に身近なものとして捉えている。
しかし遺族になる覚悟はまだ出来ていない。
人は必ず一度死ぬ、
私の年齢からすれば30年後の生存率はほぼ0%に近いはずだ。
頭では理解している、多分妻も理解していると思うが、
その想定に実感が伴わない。
多くの人は日々の暮らしの中で生死を忘れ避けるように
生きている節がある。
身近な死を経験するたびに感慨に更けるが喉元過ぎればまた、
たわい無い悩みに翻弄されながら過ごしていくのである。




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