師走展

今年も東京での師走展が近づいた。


例年の事だが、
上京すると刺激を受けるので実は楽しみにしている。



今年のテーマは「辻が花」とした。


改めて言うまでもない日本染織史上の最高傑作、16世紀に
花開いた至極の美に私が挑戦したのだ。


手前味噌ではあるが今年の出来はチョット違う。


本歌の精緻な絞り技法を
現代の技術で限りなく迫ることができたと自負している。


一見素朴な作風と思われがちな16世紀の辻が花は、
実はかなり高度な絞り技法が駆使されている。


絞り技法で草花の水々しさを表現するのは至難のことだと
手掛けてみるとよくわかる、と言っても自分で絞るわけではなく
職人にさせるのだが指導リスク負担を私がやらねば事は前には進まない。


生地の選択
絞りの技術
仕上げ描きの筆力
この三者がまさに三位一体となって初めて
上質の辻が花が出来上がるのだ。


似て非なるものは世間に溢れているが、
眼の利く一部の人が価値を認め、
願がわくば買ってもらえば冥利に尽きるということだ。


私のもの作りへの情熱執着は、
生きることの源泉であり証なのである。



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