繭の実状を知る 2

一方、
絹糸の輸出国、中国ブラジルの状況と言えば
経済成長の著しい中国では着物需要を当て込んだ養蚕
急減しているが人件費は高騰している。

品質が安定していると言われるブラジル産生糸においても
日本への輸出から欧州へと振り替えていると聞く。

つまり、
着物需要の減退が輸出国の産業形態を変化させているである。


来年三月になれば
国内養蚕家を保護するための助成金が終了する。


その結果、国産生糸の価格が1kgあたり10000円は値上がりする
という試算もあり、益々着物離れが進むのではないかと
危惧されている。



歴史を振り返ってみれば
江戸中期まで中国からの輸入の筆頭は絹糸であったものが
幕末には最大の輸出品生糸になった訳だから時代の流れからすれば、この需給ギャップはさほど不思議なことでは無いという事か。



なぜと比べての値打ち下がったか?

生糸は年間50万トンの内、約半分が中国で生産され今も昔も
中国の専売とされてきた。


絹糸の国際相場は1kg約\4000あまりである。


一方、保有量は全世界で50mプールに一杯程度らしい、
日本の保有量は承知しないが相場は現在約1g\4000

ということはの値打ちは1000倍という事になる。


シルクロードの交易が盛んであった頃には、
等価で交換されていたのだから
如何にの値打ちが下がったか如実に理解できる。


価格を別にすれば「」はあらゆる繊維の王者であり
」は鉱石の王者に代わりはない。


百獣の王が「ライオン」であり野球は「長嶋」と同じである。


ではなぜこんなにの価値が下がったのであろうか?


単純な結論だが、
供給が需要を上回ったということであり日本の高度成長期に
きもの、帯」がよく売れたのはバブル経済のあだ花であった
と言える。


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