繭の実状を知る
今年の冬は、
例年より厳しい寒さを感じたのは私ばかりではなかろう。
ゴールデンウィークの最中に山形では新雪が15cmも積もったのだから尋常ではない。
そのせいで蚕が大きなダメージを受け最も良質とされている
春繭が激減したと聞く。
唐織の帯を織るために注文してきた滋賀県浅井の
「江州ダルマ」と呼ばれる最高級糸も不作の為に今春は
キャンセルされてしまった。
この繭は岐阜県産の蚕が生み出す太くて伸縮性の高い糸で、
主に三味線の糸や高級絹織物に使用されている県の
無形文化財である。
これを機に繭の実状を知ろう思いつき日本の養蚕事情を調べてみると、なんと惨憺たる疲弊に危機感を感じざるを得ない結果となった。
原因は国際的な生糸相場と国内の養蚕人件費との差である。
手間隙かけて「繭」を作っても利益のある値段では売れない、
「とてもじゃないが養蚕なんかやってられない」というのが
養蚕農家の本音であろう。
古来「絹は金なり」と言われてきたがその面影は微塵も無い。
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