足元が危うい呉服業界
近頃よく業界人から聞こえてくる話題は芳しくないものが多い。
円安による燃料費上昇によって重油を必要とする
「蒸し屋」「錬り屋」といった生地を加工する業者が
悲鳴をあげている。
世界的な紙幣余りから生糸の相場に流れ込むマネーのせいで
絹製品の実需要が伸びないにもかかわらず
生糸の価格が上昇する。
職人の老齢化やコスト削減の名の下に手間賃の抑制など
物作りの足元が崩れそうである。
ただ我々の業界だけが厳しいというわけではなさそうだ。
須らく競争が過度になりすぎてはいないか?
競争こそ進歩の母であるという考え方は
自由経済主義の立場からは正しいかもしれないが
過度な競争と拝金主義は物の質を確実に低下させてしまう。
前述の古裂を眺めていると貨幣経済が広く浸透する時代になると物の本質が作品から商品に変わってしまう。
より古い物が素晴らしいと言われる所以は単に古いだけでなく欲得抜きに楽しんで作ったものに素朴に共感するのではないか?
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