目から鱗
染織のプロを自認する私だが、その道の研究者の話を聞くと
改めて自分の無知を知らされる。
京都工芸繊維大学で行われた「染めを語る」と題した
シンポジュームに参加して江戸時代から近年までの染織史、
特に技法の講義を聴いた。
印象的であったのは、きものの第一礼装だとされる黒留袖は
大正時代に一般化されたのだという。
それ以前は色留袖が正式であり、
さらに江戸時代では鮫小紋のものが正式であったらしい。
意外である。
明治政府がヨーロッパの「ブラックフォーマル」という風習を
輸入した影響だという。
他には友禅染の語源にもなる宮崎友禅斎、
彼が糊糸目を考案したとされてきたが、
平安時代から糊伏せ彩色が鎧の革になされていたなど
正に「目から鱗」の思いであった。
私が先代から教わったきものの「しきたり」も怪しくなってきた。
何が正統で、何が亜流なのか。。。
もう一度再考の必要があるようだ。
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