杉本「雷」が台風に吹き飛ばされた。
楽しみにしていた杉本狂言 「三番叟 」二番、
開催されたが台風15号の影響で 交通機関が停止され観客半分以下の淋しい上演となった。
誠に運が悪い。
強風が天井から音を発てる中「野村万作」の舞台が幕を開けた。
古格漂う舞いの背景には
「松林図」を想わせる松のシルエット写真、紛れもない杉本氏の作品だ。
引き続いて登場した「野村萬斎」は打って変って
雷をデザインした勅垂に天井には雷幔幕。
盛り上がった場面ではフラッシュを稲妻に照射するなど
杉本流三番叟の真骨頂を見せつけた。
本来三番叟はわが国最古の芸能であり、
神事として最も重い曲とされ、
舞を舞う生身の身体に神が降臨すると杉本氏は解説する。
彼の芸術には共通点があると私は見ている。
それは目に見えないものをカメラであれ、芸能であれ
具現化したいという好奇心である。
その衝動が彼を写真の世界に留まらず様々な分野へと突き動かすのであろう。
(一番左 杉本氏)
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