「一見客お断り」の本意
京都の老舗には「一見客お断り」という店は今でもかなり多いと思う。
我が家でも一見のお客様をやむを得ずお断りすることがある。
とくにお茶屋などはほとんどそうである。
それゆえ京都は気位が高くて嫌だと断言する人もいるであろう。
マスコミで紹介されているにもかかわらず、一見客を断るのは矛盾した話だと。
しかし、それは勘違いである。
我々はお客様に十分な「もてなし」を願うがゆえにお客様のことを知っておきたいのである。
何を期待して来店されたのか、それに応えるにはどんな下準備が必要なのか考える時間が必要なのだ。
ゆえに突然のご来客を御断りすることになる。
昨今では支払は、カード払いが一般化しているがお茶屋でカード払いはいかにも興ざめである。
お茶屋は立替え業ともいわれてきた。
お客の飲み食い、買い物など一切を立替えて支払うのが伝統的な有り様である。
こんなところにも時代の波が押し寄せて伝統的な「しきたり」が壊れつつある。
江戸時代から続けてきた商いのスタイルである。
かといって商品が無いのではなく店の奥には1200点もの商品が眠っている。
従って、お客様のご要望を事前にお聞きして品揃えをする時間が必要である。
お客はできるだけ多くの商品を見たいと思うのは人情として理解できるが見せすぎても野暮になる、「秘すればこそ花」である。
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