チェット ベイカーの怪しい魅力

いよいよジャズ熱が蘇ってきた。


若いころからチェット ベイカの名前は聞いていただが何となく陰気なイメージで印象に残らなかった。


ところがクリス ボッティの話からさる知人から
チェット ベイカの「Let's get Lost」を薦められ
聴いてみたが、なんと深い魅力。


妖しげな退廃としたその歌声と音色にすっかり
ハマってしまった。


ハスキーでさりげない歌い方はジョアン ジルベルトの弾き語りを
思い出させる。


何をいまさら、やっと分かったの?と声が聞こえてきそうだが
出会いというものはそんなものだと思う。



若い時に彼の魅力を理解するのは難しい。 
やはりマイルス デービスの健全さの方に魅かれた。


チェット ベイカの生い立ちもキャリアも知らないが、
それを知る必要もなければ知りたくもない。


美術も作者の肩書きを見てしまうと先入観が脳を覆い、
感性が歪むのであまり見ないようにしている。


たとえば国宝の中にも愚作があるように肩書で判断するのは
物でも人でも同じで危険である。


自分の直感を大切にすることが芸術を理解する要諦だ。


ただ年齢とともに解る「」が存在することも確かであるので
即断は禁物、常に真っ白な心で物を見たい。


兎にも角にもチェット ベイカを聴くには夜と酒が必要だ。





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