桜記第2章

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」


古今和歌集に歌われた平安時代きってのプレーボーイ
在原業平」の作である。

今年のはこの歌の趣きより更に呆気なく終わろうとしている。


京都は4月に入り連日の雨模様、しかも一日中降り続く天気に
花見客が雨の谷間にドオッーと集中、祇園界隈はかつて見た
こともない群衆で溢れ、長く暮らしてきた近隣の住民も困惑
気味である。


この空前の京都ブームに観光客相手の店では思いもかけない
外国人の来訪と爆買に思わず笑みがこぼれる場面にも出くわ
すが、多くは渋滞と大声でおしゃべりする中国人客に顔を
しかめる。


日本の景気は日銀の掛け声の割にはパッとしない日が続いて
いる。このブームが景気刺激となって将来に期待の持てる強い
日本に立ち戻って欲しいものである。


ぎをん齋藤も4月1日から春の展示会を1週間開いているが前述
の雨に祟られて担当者は頭を抱えて空を恨めしげに眺める。
しかし私的には夏物を一堂に展示して自己反省ができる機会
なので、そう落胆してはいない。


この歳になると正直言って一喜一憂しなくなったと自覚する。
目先の細事より目指すに邁進して今年の桜のように惜しま
れながら散るのが本望である。


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