桂川氾濫と桂離宮
16日の台風18号によって桂川が氾濫、渡月橋から下流一帯に
大きな爪跡を残したまま京都に秋がやって来た。
まさかあの桂川の水が溢れるなど京都市民には信じられない
大事件となった。
我家の近くの鴨川も歩道が冠水し、あわや洪水かと危ぶまれたが、寸前で雨は小康となった。
同じ「桂」と付く京都の名所といえば「桂離宮」である。
言わずと知れた日本の名建築、
明治時代ブルーノ タウトが絶賛した日本建築の真髄である。
離宮の数ある建物の中でも「書院」は「月波楼」と並んで至宝と
称される建物だが、その特徴は「高床式」である。
しかしこの高床式が採用された理由が桂川の氾濫にあることは
あまり知られていない。
八条宮家の別荘として建てられた桂離宮も
桂川の氾濫を事前に予期した設計であったのだ。
工芸が目指すべきものは、
「必要性が永遠の美を生む」であることを改めて知らされる。
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